Pilot Deli System [!Report!] AgraBowl featuring by FURNITURE DESIGN AGRA No.S003 09/2004


マーカス・ボス ソロエキシビジョン 
「Californian Boom」  カルフォルニア ブーム =ディップで食ス有機野菜

 

 味が濃い、油っこい、高カロリー、そんな食べ物であふれているアメリカ。そして社会問題ともなっている肥満。
これは肉生活が中心となりつつあり、食生活が乱れてきている私たちにも見ないフリはできない問題だ。
そこで改善に必要なものの一つが野菜。
しかし、体にいいとわかっていてもただ野菜だけを食べるのはツライものがあり、相当な野菜好きでなければ続けることさえ困難だ。だが、アメリカで最多人口の州であり肥満数値も男女関わらず高いカリフォルニアでは最近、野菜スティックをいろいろなソースにつけて食べるというものが大ブームとなっている。
 そのブームに反応したのが、前回のエキシビションでスバラシイ食の融合を見せてくれたドイツ人シェフ、マーカス・ボス氏。
10/9・10・11の3日間にわたり、カフェAgra Bowlで行われた「California Boom」。有機野菜をディップソースにつけていただくという、なんとも体にやさしいフードエキシビション。
今回のイベントのメインとなった野菜たちは、北海道の雄大な大地で育て上げられ、
自然の味がビッチリつまったものばかり。シェフにより厳選された有機野菜。
ニンジン・ピーマン・きゅうり・アスパラ・カリーフラワー・ビート・にんにくの芽。
新鮮野菜が贅沢にも7種類揃った。
そしてシェフ自身がこだわり抜いたオリジナルソース、アボガドミント・ツナペッパー・トマトタイムの3種類。
さらにリンゴとニンジンの野菜ジュース。
健康的で体もよろこぶメニューだ。
今回は、野菜スティックを外で歩きながらでも食べられるようにとテイクアウト可能な
パッケージを用意した。ふた付きミニカップと巾着ビニール。
お祭りの金魚すくいでよく見かけられるあの巾着ビニール。
ここに金魚ではなく野菜が入っているのもユニークでなかなかおもしろい。
水は入っていないが野菜が泳ぎだしそうな不思議な感じが漂う。
さてさて、待ちに待った野菜たち。
いざ食す!
巾着に入ったたくさんの野菜からピーマンを取り出し、まずはツナペッパー。
カリッと一口食べた瞬間、野菜の甘みとソースがステキに和合する。
本当にシンプルな言葉だが、「野菜っておいしい!」と思った。
そして、普段は茹でたり炒めたりしているカリーフラワー・アスパラが実は生だということにも驚いた。
とても生とは思えないぐらいのやわらかさ。
他の野菜もみずみずしい食感、パリッとした歯切れのよさが気持ちいい。
食材のもともと持っている栄養が体中に行き渡る。
あまりのおいしさに油断しているときに、むせるほどパンチのきいたにんにくの芽の辛さ。
涙が出るが、アボガドミント・トマトタイム・ツナペッパーのまろやかなソースに癒される。
自然素材の味を殺すことなくみごとに調和されたソース。
ミント・タイム・ペッパーの調味料の使い方もさすがだ。
今回のイベントで、苦手だった野菜が食べられたという声も多かった。
野菜とマーカス・ボス氏のみごとなミラクルマジックである。
北海道に住んでいながら北海道産有機野菜のおいしさに驚かされ、普段から本当に新鮮なものを
食べていないことに気付かされるイベントでもあった。
身近にある食材、野菜。
素材の味を直に楽しむことによって、野菜に対する意識や見方も変わる。
洗う→切る→焼く・茹でる・揚げる→味つけ→食す。もいいけれど、
洗う→切る→食す。のシンプルさで心ゆくまで味わうのもいいと思う。
手のこんだ独自のソースを作り上げ、それぞれ各ソースの強いインパクトを与えながらも
シンプルならではの素材の良さを引き出したマーカス・ボス氏。
彼の食に対する情熱から生まれる無限の可能性をまだまだこれからも見てみたい。

 

 

 

 

Markus Bos マーカス・ボス (ドイツ生まれ)
ロンドン、フランクフルトと、ミシュラン星レストランでシェフとして腕をふるう。
各国で培ったそれぞれの様式を、 国境を越えフュージョンする(食材・調理法を融合する) 彼のスタイルは
洗練されたあたらしいEUテイストといえるであろう。
素材も有機栽培にこだわり、健康的で野菜の豊富なメニューを考える。
札幌市内で定期的に料理教室を開いてヨーロッパの味を広めている活動とともに
和食との融合を研究しているという。 これからの活動も注目したい。
マーカス・ボス クッキングサロン markus-cooking@mb.megafit.net


Pilot Deli System
クールな大人のキュートな生活を提案するFURNITURE DESIGN AGRAのカフェスペース Agra Bowl は、
パイロットデリシステムをはじめま した。 食にかかわる方たちの真剣な取組みを発表するショーケースです。
バラエティーあふれるフードエキシビジョンを企画していきます。
エキシビションをしていただけるシェフも随時募集中。
時代とともに変化する食生活を見定め、食文化にあたらしい風を吹き込む試みをAgraBowlは応援します。
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