week3, 2005/5/22 to 6/4
マダムスパイス MadameSpice
様々な姿で私たちの食・生活を華やかに、そして使い方次第で気持ちにも変化をもたらすスパイス。清々しいカオリや香ばしい味など多種多様なスパイスがあるが、その中からシェフが今回のイベントに選んだモノは、コリアンダー・ペッパー・シナモン・アニス・カルダモン・オレンジの皮・レモンの皮の7種類のスパイス。この7種類により生まれたアイスクリームが「Ice Cream Madame Spice アイスクリームマダムスパイス」
まず、こんなにもたくさんのスパイスを用いられたアイスクリームを食べるという機会がなかった分スパイスとアイスとの組み合わせに違和感のようなものを感じた。だが、実際に目の前に出されたときにはそのルックスに癒され、むしろ抵抗というよりももったいなくて食べれないという衝動にかられる。カリカリの細身のシュガーコーンの上にスパイス溢れたアイスクリームがのり、さらにアイスの上に薄く繊細な網目状の、円形に焼き上げられたキャラメルビスケットがナナメにトッピング。そのキャラメルに合わせてチェリーもナナメにトッピングされている。このチェリーがナナメになっている不思議さとおもしろさ、そしてまるでオシャレなマダムが帽子をかぶりたたずんでいるようなそのルックスから優雅な雰囲気が感じられる。そのエレガントさと混ざり合うスパイスアイスの芳香なカオリ。クセのあるコリアンダーと鮮烈で独特なカオリのアニス、香りの王様ともいわれる爽やかなカルダモン、スーッとくる上品な甘い香りのシナモン。香り高い7種類のスパイスがみごとに混ざりあい口の中に広がる。甘いキャラメルとスパイスアイスを一緒に食べたときの味も絶妙だ。シナモンの味を特に感じるからか、味はどことなくインドでよく飲まれているスパイス入りミルクティーのチャイに似ている。京都の銘菓、八つ橋に似ているという声もあった。シェフがいうにはドイツクッキーにも似ているとのことだ。一口食べていろいろな味が連想されるが、やはりそれは似ているだけでこのスパイスアイスは1つのスウィーツとして存在している。たくさんのスパイスの香りの威力とは裏腹に、とても繊細ですっきりとした味わいが口にすればするほどクセになる、マーカス・ボス氏ならではのひらめきが際だつ爽やかなアイデアのアイスクリームだった。
week4, 2005/6/5 to 6/18
ウェディングケーキアイス WedingCake Ice
女性にとって最大イベントである結婚式。中世のヨーロッパからの伝承であるジューンブライド。この時期に結婚をすると幸せになれるとされていることから憧れを抱く女性も多い。その結婚式に登場し、豊かさのシンボルとされているウェディングケーキ。時期・季節共にふさわしいといえる
week4「Wedding Cake Ice Cream ウェディングケーキアイスクリーム」
プレートのセンターに上品にそびえる、まるい2段のケーキアイス。大きさの違う2段の間には彩りあざやかなうすくスライスされたイチゴが花びらのように飾られている。そして、1ミリあるかないかぐらいの繊細な三角形のチョコレートがトップにトッピング。この華麗な姿に思わず見とれてしまう、形を崩したくなくなるほどのデリケートなアイスが誕生した。この2段のアイス、一見バニラアイスだが実際はどうなのだろうか。本当に食べるのが惜しいぐらいだが、味が気になるので思いきってケーキカット!
まずは、下段のアイスにフォークを入れ一口食べてみる。とても甘くてまろやかな味だ。上段も食べてみると、かなりアルコールの香りと味が強めのアイスになっている。気になるこの2つのアイス、ジツは下はハニーアイスで上はブドウの搾りかすを発酵させて作られるイタリアのブランデー、グラッパアイスだった。ハニーとグラッパ、全く違うこの2つを見た目も色も同じアイスに見せるところが意表をついていておもしろい。最初にアイスを食べたとき、甘さとアルコールがそれぞれ少し強めなのが気になったのだが色どりからもすごく甘そうな、間にはさまれていたイチゴを単独で食べてみたときのすっぱさですべて計算されていると気づくこととなる。ハニーアイス×グラッパアイス×イチゴ。この3つの組み合わせで食べたときの味がみごとなハーモニーをつくりだす。まさに三位一体だ。そして、チョコレートも加わることで食べていくうちに何通りもの食べ合わせのバージョンが見つかる。スッキリとした口どけと芳醇な香り、繊細な味わい。可憐で美しいルックスと味共に、デザイン性に富んだスウィーツだった。
次から次へと出てくるシェフのオリジナルアイスクリーム。
これからのメニューで一体どんなアイスクリームを見せてくれるのかが楽しみだ。
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